過去ログ - 美希・雪歩「レディー!」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 20:46:26.30 ID:sFFUNv8Z0
 実際、オーディションで顔を合わせれば、俺達の圧勝だった。
 当然だ。こっちは真剣なんだ。あいつらとは違う。
 だが、そんな中でも、対決が終わればあいつらは互いに「良くやった」、「そう気を落とすな」、「次は頑張ろう」などと慰めあっていやがる。
 自分の実力が不足している現実を認めようとしないのだ。
 とことん腹の立つ連中だぜ。

 その中で一度、際どい勝利を収めた時があった。
 いや、アクシデントが無ければ、あれは俺達が負けていたのかも知れない。
 だが、それも含めての実力だ。
 当日に合わせ、万全の準備を整えることができなかった奴が悪いのだ。

 しかしそれ以降、765との対決で楽に勝てるケースは少なくなっていった。
 俺達を脅かした当人は出てこなくなったが、あの日から、他の奴らの目つきがハッキリと変わったのが見てとれた。
 敵討ちのつもりなのか知らねぇが、逆恨みも甚だしいぜ。

 こいつらにだけは負けたくない。こいつらにだけは。

 だが今日、俺達は負けた。
 もし万が一今日という日が来るとしたら、どんなにか悔しいことだろうと恐れていたが、これだけハッキリとした敗北だと逆に清清しい。
 それに、あいつらの強さがどこから来るものなのか、良く分かった。
 結局俺達は、俺達が否定し続けたものに負けたのだ。
 悔しがる筋合いなど、元々俺達には無いのだろう。完敗だ。

 こうなったら、とことん見せてもらうぜ。
 俺達を負かしたものが、どれだけ観客をワクワクさせられるのかを。
 盗めるものは何でも盗んでやる。次は負けねぇ。

 北斗と翔太が俺を笑っている。黒井のおっさんが何やらうるせぇ。
 構うものか。
 観客の一人になって、俺は声の限り合いの手を叫んだ。



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