過去ログ - 美希・雪歩「レディー!」
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211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:40:10.71 ID:7LnCOhGJ0
 黒井が堪りかねて、961側のステージ裏にやってきた。

「どうなっているのだ!? 貴様ら、何をやっている!!」
 黒井は、冬馬と北斗に怒鳴った。
 ここから巻き返すのは、ほとんど不可能に近い。

「見ての通りです。
 真っ向から実力勝負をした結果がこれでは、言い訳のしようがありません」
 北斗は淡々と語った。
 黒井にとっては、とても納得できる回答ではなかった。

「言ったはずだな。
 もし今日のフェスで結果を残せないのなら、私は貴様らを許しはしないと」
 黒井の言葉に、冬馬が反応した。
 北斗が冬馬の肩を掴む。

「―――なるほど、そういう約束をしていたのか。初耳だぜ」
「悪かった、冬馬」
「いや、いいさ―――このおっさんが、こんな悪党だとは思わなかったしな」
 事情を聞いた冬馬が、呆れるように溜息を吐いた。

「悪党だと? 貴様ら、拾ってやった恩を忘れて何を――!」
「喜べよ。あんたにとって商品価値の無くなった俺達は、今日限りで961を抜ける」
 冬馬の思わぬ一言に、黒井は言葉を失った。

「だが、最後は決めさせてもらうぜ。
 こんな状況でも、俺達を応援してくれるファンがまだいるんだからな」
「その通りだ。さて、行ってくるぜ冬馬」
「あぁ」

 北斗が、持ち歌『結晶〜Crystal Dust〜』を歌いにステージに上がる。
 客はステージのすぐそばにしかいなくなったが、北斗にとってはその観客の存在が何よりありがたかった。



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