37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:04:16.59 ID:sFFUNv8Z0
【3】
あずさのオーディションから二日後、美希が事務所に行くと、待ってましたとばかりに事務所のメンバーから一斉に出迎えられた。
どうやら、オーディションの翌日から、事務所ではあの日に起きた事件がちょっとしたニュースになっていたようである。
早々に律子が美希を呼び出し、先だっての軽率な言動を戒めた。
だが、アイドルの皆からは、美希の行動は概ね好評だったようである。
その中でも真は、最も美希の行動を評価した者の一人だった。
「良くやったね、美希。ボクもあの連中にはムカーッてしてたんだ」
やーりぃ、と喜びの掛け声を言いながら、真は右手の拳骨を美希の前に突き出した。
美希は、いまいちその意味が分からず、とりあえずパーを出してみたものの、真の意図は違っていたようである。
「だから、ボクが拳骨出したら美希も拳骨出してよ。それで、こうぶつけ合うんだ、良いね?」
「えー、それじゃああいこになっちゃうよ?」
「パーを出されたらボクの負けになるじゃないか」
「わぁ、なるほどなの」
良く分からないやり取りで意気投合する二人を見て、律子は目頭を指で抑えた。
今後ああいう子達を節度あるアイドルに育て上げなければならないと思うと、頭が痛い。
「あらあら〜、何だか事務所が賑やかになっているわねぇ」
あずさは昨日一日休んで、すっかり体調を取り戻したようだ。
あなたの事で盛り上がっていたんですよ、と律子が言うと、「まぁ」と言った表情であずさは右頬に手を当てた。
どこか天然であることを感じさせる節が、あずさにはある。
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