4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 20:50:25.65 ID:sFFUNv8Z0
「どうしたよ、姉ちゃん?」
男の一人が律子に声をかけた。
下劣な視線に、律子は決して動じる素振りは見せまいと思った。
「電車の中は公共の場であり、禁煙です。
自分達の行いを振り返って、人として恥ずかしいと思わないんですか?」
男達は、律子の言う事にまともに取り合う様子も無く、ただニヤニヤしている。
だが、すぐに律子の後ろに隠れているボブヘアーの少女の存在にふと視線を向けた。
「お嬢さん、かわいいね」
声をかけられた雪歩は小さく悲鳴をあげ、律子の服を掴んで肩を震わせている。
「こっちの気の強そうな眼鏡も良いけど、俺はこっちの子の方が好みだなぁ」
「良いじゃん、二人とも俺達とどっかお茶しに行こうぜ」
男が雪歩の肩に手を伸ばした時、律子がその手を掴んだ。
「ウチの子に手を出さないで。駅員さんを呼ぶわよ」
男達は目を合わせ鼻で笑うと、突然その一人が律子のブラウスの胸元を掴んだ。
後ろで雪歩が、きゃあと悲鳴を上げた。
「欲求不満なら俺達が相手してやるってんだよ、下手に出てるからって調子乗ってんじゃねぇぞ」
男がそう言って律子の胸ぐらを揺さぶると、ブラウスのボタンが一つ飛んだ。
他の二人が、ゲラゲラと下品な笑い声をあげる。
律子は、恐怖で涙が出そうになるのを堪えた。
「止めて下さい――お願いですから」
雪歩はそう口に出したつもりだったが、体が震えて思うように声が出ない。
唇を噛み締めている律子の顔を見て、男達はなお満足げにニヤニヤ笑っている。
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