5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 20:53:19.42 ID:sFFUNv8Z0
その時、電車はいつの間にか浜松町に着いたようだった。
扉が開き、一人の少女が乗り込んできた。
「あふぅ、何か変な人だったなぁ」
少女は、喧嘩沙汰で騒然とする車内の空気などお構いなしに、ブツブツと独り言を呟きながら、先ほどまで男達が座っていた優先席に腰を下ろした。
「あれっ、お婆ちゃん何で立ってるの? 席、こんなに空いてるよ?」
呆気に取られている老婆に対し、少女は自分の隣の座席をパシパシと叩き、手招きするのだった。
自分達の座席を横取りされ、男達は露骨に不愉快そうな表情を見せたが、すぐにその顔色は変わった。
ウエストまで伸びるブロンドの髪。
幼さは残るが端正な顔立ち。
良好なスタイルとそれを際立たせるファッション。
男達は、自分達が座っていた席で物憂げに携帯を弄る少女に目を奪われていた。
恐怖感が薄らぎ、憮然とした表情で見つめる律子を他所に、男達は再び互いに目配せをした。
そして、律子を乱暴に突き放すと、ゆっくりと金髪の少女の下へと歩み寄った。
少女は男達に気づいていないようである。
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