6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 20:54:26.74 ID:sFFUNv8Z0
「よぉ、そこの彼女。何それ、あぁ、かわいい携帯だね〜」
男の一人が、少女の携帯を見て声をかけた。
少女は顔を上げ、不思議そうに男達の顔を順番に見た。
「でもさ、知ってた? 優先席って、携帯使っちゃいけないんだよ」
さっきまでタバコを吸っていたくせに何を!
律子は、今にも男達を怒鳴ってやりたい気持ちでいっぱいになった。
「えっ、そうなの? ごめんなさいなの」
少女は、素直にそう返事をすると携帯を閉じ、ポケットにしまおうとした。
その瞬間、男の一人が少女の持っていた携帯をサッと取り上げた。
「あっ、何するの!」
「教育的指導ってヤツさ。あんたのように悪い子の携帯は、お兄さん達が没収しとくぜ」
パッと手を伸ばす少女をあざ笑うかのように、男は携帯を高々と上げてみせた。
少女は、いつの間にか自分が男達に囲まれる位置に立っていることに気づいた。
「今日一日、俺達と一緒に遊んでくれれば、携帯も返してやるよ」
一人の男がそう言うと、残りの男達は少女を威圧するように顔を近づけてきた。
だが、少女の返答は、誰もが予想するよりも短く単純なものだった。
「ヤ」
一瞬、何を言われたのか分からず、男達はもう一度少女に聞いた。
「ヤ、って言ったの。ありえない」
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