61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:53:08.57 ID:sFFUNv8Z0
この日、レッスンスタジオには真と響、貴音、雪歩が来ていた。
本当は美希も来る予定なのだが、集合時間はとっくに過ぎている。
響が美希の携帯に電話しても、繋がらない。
「―――まぁまぁ、なんくるないさー! さぁ、練習始めようよ!」
携帯をしまった響が、部屋に漂う不穏な空気を振り払うようにそう言った。
「うん、そうだね! よーし美希め、今に見てろよー!」
真も、響に負けない大声を出してそれに続いた。
特に、真は美希に対して言いたい事がたくさんあるはずだった。
だが、それを言うと、これまで仲良くやってきたお互いの関係が壊れてしまう。
真はそれを恐れているのだ。
だから、事務所で美希と顔を合わせる時も、真は当たり障りの無い話題を振り、彼女に対し努めてフレンドリーに接している。
一番不穏な空気を感じていたのは、雪歩だった。
真と同い年で付き合いの長い雪歩は、彼女の心境を敏感に感じ取っていた。
程度の違いはあれ、他のアイドル達が美希に辛辣な言葉を直接ぶつけないのも、同じ理由であると雪歩は推察していた。
その空気の中で練習しても、身が入る訳がなかった。
いつもはダンスに対し並々ならぬやる気を見せる真と響だが、この日の彼女達のダンスに冴えは無い。
ただ何となく、惰性で体を動かしているに過ぎなかった。
律子が見ていたら、何と言うだろうか。
メンバーが乾いた汗をタオルで拭いている時、レッスン室の扉が開いた。
ビックリして皆が振り向くと、美希が立っていた。
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