5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 21:48:31.95 ID:mvOgZccS0
姉「あ、ちょっとこの大根、大きすぎちゃったな」
白いご飯に、今日はぶりと一緒に煮込まれた大根。それから姉お得意のきんぴらごぼうに味噌汁。
どれも美味しいはずなのに、どこか味気ない。
さっさと食べてしまわなくてはならないのに、いつもいつもすぐには全て喉を通っていかなくて、結局姉の独り言のような声を聞いていることになる。
妹「……」
姉「……」
けれど、今日の姉はいつもよりも少し静かだった。
私が答えないことはもうすでにわかりきっていることで、姉も、そして私も、黙々と箸を口に運んでいた。
――なんか、へんなの。
最後の一口を食べ終えたとき、私はそう思った。
けれど、訊ねることはせずに席を立つ。
「ごちそうさま」は小さな声で。
姉の「おそまつさまでした」と言う声を背中に聞き、私は自分の部屋に閉じこもろうとした。
リビングを出る前、姉は言った。
「あのね」
私はそれも、聞こえない振りをした。
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