38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/25(月) 23:53:43.64 ID:68WYh37U0
勇者「何が言いたい」
魔王「死者が現れるまで人間たちは人間たちで殺しまくってたってことさ。万人の万人に対する闘争ってね。
でもでも、死者が現れてからはかなり無くなった。
そりゃ、人類の敵に見えるだろうしさ。実際はちょっと先の自分たちに過ぎないのにね」
勇者「……」
魔王「んー、話がヘタでごめんね。なんたって生者とお話しするのは久しぶりだからさ。
ええっと、それでね。人間たちは人類共通の敵を得て、国とかよりももっと大きな規模でまとまる事ができた。不平等は減って、虐殺はほとんど無くなった。
少しずつ世界は良くなってる。君も目にしたんじゃない?」
勇者「……だが、お前は人を殺している」
魔王「そうだね。でも人が死ぬのは当たり前だし、一つの事故死みたいなものと考えてくれてもいいんじゃないかな。
生命を循環させるために一定量の死は必要だよ」
勇者「……八年前の魔物による大量殺人もか?」
魔王「……ああ、あれは僕の失敗だ。加減を誤ったんだよね。
君はあの時にお父さんとお母さんも亡くしたものね。僕を恨んだだろうね。
でも、君は正義のために僕を殺すんだもんね。それとも君は復讐は正義という考え方かな?」
勇者「……お前の考えは正義ではない」
魔王「僕はそう思わないけど、君がそう思うのも当然だよ。
大多数のための正義は、少数にとっては悲劇だからね」
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