4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/25(月) 16:10:52.23 ID:MY2yL6du0
  
 「おやおや、目が覚めたんだね?」 
  
  その正体は、カエル顔の医者だった。 
  シャットアウラでさえ彼のことを知っている。「冥土帰し」の異名をとる、凄腕の医者だ。以前に隊員が世話になったが、その技術は眼を見張るものがあった。 
  シャットアウラは冥土帰し止められ、後退していく。 
  
 「気持ちはわかるがね、君はあれから十日間も眠っていたんだよ。無理をしてはいけない」 
 「な、十日?!」 
  
  シャットアウラは愕然とした。 
  
 「世界は平和だよ。あれから大覇星祭も無事に行われた。あの一件はまさに、奇跡、だったね」 
 「そ、そう……ですか……」 
 「少し待ってなさい。今食事を用意させよう。そして、リハビリだ」 
  
  そういって冥土帰しはシャットアウラをベッドに座らせたあと、退室していった。 
  
 「そうか……十日も眠っていたのか……、通りで体が重いはずだ」 
  
  シャットアウラの体は、痩せていた。もともと細身ではあったが、それでも見てわかるほどに。 
  
 「これでは仕事に支障が……」 
  
  と言いかけた所で、はたと気づいた。 
  あれだけのことがあったのだ。黒鴉部隊が現在も機能していると思えない。 
  私達を雇っていたオービット・ポータルも、もう終わりだろう。 
  隊員たちがどうなったかは気になるが、今は連絡の手段がない。 
  
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