5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/25(月) 16:11:44.73 ID:MY2yL6du0
  
  しばらくして、食事を持った看護婦が現れた。 
  シャットアウラは礼を言い、看護婦が退室するのを見届けると、思わずがっついてしまう。 
  なにせ腹が減っていたのだ。久々の食事。ついつい行儀を忘れてしまう。 
  もう食べ終わってしまった。病院食でもとても美味しく感じた。 
  思えば三年前のあの日以来、食事をまともに取っていなかった。いつも片手間だった。 
  もう、戦わなくていいのか。これからは、普通の女の子として生きていけるのだろうか。 
  いろんなことを考えていると、どこからか音楽が聞こえた。ピアノの音だ。今は、音楽を認識できるようになったらしい。 
  それを聴きながら、シャットアウラの目からは涙がこぼれていた。 
  
 「ああ、音楽とは、素晴らしいものなんだな」 
  
  シャットアウラは、その音楽が途切れるまで、目を閉じて、聴きいっていた。 
  
  
  
  あのあと、リハビリを済ませた。 
  もともと鍛えていた甲斐あってか、すぐに日常に支障がない程度には回復した。 
  もう退院しても問題無いだろうが、冥土帰しのすすめで、今日は病院に泊まることになった。 
  
  夜。病室に一人。久しぶりにシャワーを浴びたシャットアウラはベッドに横たわり、天井を見つめていた。 
  明日には退院する。それからどうしようか。やはり、上条当麻のもとへ出向かって、改めて謝罪と礼を言うべきか。 
  そんなことを考えていると、ふいに声が聞こえた。まるで頭のなかに直接話しかけているような、テレパスのような感覚だった。 
  
 (誰だ?) 
  
  シャットアウラはテレパスの使い手ではないが、思考内で話しかけてみる。 
  声は段々鮮明になっていき、聞き取れるようになった。 
  この声、覚えがある。シャットアウラはさらに問うた。 
  
 (お前……まさか鳴護アリサか?) 
  
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