17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:06:14.91 ID:d5tGG4Gs0
  
 何だよこれ。どんどん手形が増えていく。 
 いや。もう、いや。なんでこんなことに。女性スタッフは泣き崩れている。 
 手形でぼやける視界の中、確実にハンドルを切っていく。ここで死ぬのはごめんだ。 
  
 『もう少しで着きます!明かりが見えて来ました』 
  
 みなの表情に微かにだが笑顔が戻る。 
 ああ、助かる。助かる。よかった。もうこんなロケはまっぴらだ。 
 そう言ってカメラマンもみなも喜んでいた。後のことなど誰も気にしてはいなかった。 
  
 「手形…もう、ない、みたい…」 
  
 小梅がそう言い、俺も瞬きをすると、一瞬で全ての手形が消えていた。 
 もうあの場を抜けたのか。さらに気が緩んでいく。よかった。助かるんだ。 
  
 「でも…何か、いる、どこかに…」 
  
 もう手形もなにもない。しかし、まだ何かいる? 
 ふぅ、みな、すまない。私は、どうかしていたようだ。 
 番組プロデューサーも気がついたようだ。それを背中で確認する。 
  
  
  
  
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