過去ログ - 京太郎「俺が奴隷扱いされてるっていう噂が流れてる?」
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243: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/15(月) 02:38:56.72 ID:nErj5v1No
「なぁ、和。もう、もうやめよう」

放課後の麻雀部部室。今日は練習もなく、部室にいるのは男女が1人ずつ居るだけだった。
京太郎は後ろ手に手錠をかけられた窮屈な体勢のまま、目の前で椅子に座りながら悠然と見下ろす和に言った。
苦しげな京太郎の表情とは裏腹に和は慈愛すら感じさせる柔らかい表情で京太郎に微笑みかけた。

「須賀君、何を言っているんですか」

「こんな、こんなことはやっぱり、やっぱりよくない」

「ふふっ」

京太郎の口から出る拒絶の言葉を聞きながらも、何故か和はとても楽しそうに笑った
和にはわかっていた。

(結局、言い訳と逃げ道を用意したいだけなのに)

和に無理やり従わされた。
手錠をかけられてどうしようもなかった。
脅迫されていたから仕方がなかった。

京太郎はこの関係を続ける際にそういう言い訳を用意しているということは和にはよくわかっていたのだ。
だが、この日まではそれを許していた。
目に苦痛と怯えしかなく、ただただ苦しんでいた時期まではそれでもよかった。

(だけど、それもお終いです)

先日の京太郎との逢瀬で彼の眼に灯ったその光を和は見逃さなかった。
責苦を受けている間、京太郎は先日口では拒絶の言葉を吐きつつ、苦しそうな表情を浮かべつつも確かにその光が宿ったのだ。

(『理解』と『許容』の時期ですよ、須賀君)

和は無言で立ち上がり、京太郎に近づいた。
びくりと体を震わせる京太郎を気にも留めず、黙って後ろに回り込んで京太郎の手錠の鍵穴に鍵を差し込んだ。

「……えっ?」

きょとんとした京太郎がそんな声を漏らすが、和は何も言わず鍵を回し、手錠を話した。

「そうですね、やめましょう。もう、自由の身ですよ」

「なっ」

「大丈夫です。今までのことは誰にも言いません。私の心にしまっておきます」

「あ、あぁ」

「さぁ、もう、行ってもいいですよ」

和は呆気にとられる京太郎ににっこりとほほ笑みつつ黙って入り口を指した。


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