過去ログ - 京太郎「俺が奴隷扱いされてるっていう噂が流れてる?」
1- 20
315: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/23(火) 02:24:53.48 ID:e9p+a0ZYo
(その頃の京太郎)

京太郎「ん、ちょっと失礼します」

俺は呆然としている石戸さんを尻目にポケットの中に震える手を伸ばす。
携帯の画面表示は『部長』の文字。
買い物袋を無理矢理片手に持ち通話ボタンを押した。

京太郎「はい?」

久『須賀君、今すぐ、なるべく今すぐその場を離れて急いで帰ってきて』

通話口からは聞きなれた部長の声。
だが、明らかにトーンが焦っている。

京太郎「えっ? もうあとちょっとでホテルですからそんなに――」

久『いいから! とにかくその場を離れて! いろいろまずいことになってるの!』

京太郎「は、はい!」

のっぴきならない口調の部長の声に思わず返事を返す。
何かあったのだろうか。
少なくともいつも余裕を見せている部長が焦っているのだ。
ただ事ではないだろう。

京太郎「わかりました、わかりましたから。すぐに戻ります」

久『お願いね』

電話を切り、石戸さんに向き合う。
石戸さんは俺の顔を心配そうに見ていた。
俺はそんな石戸さんに軽く頭を下げた。

京太郎「すみません、部長が(緊急事態だから)早く戻ってこいって」

霞「っ!」

京太郎「なんでしょうかね? 怒らせるようなことしたかな」

もしかしてこの前、部長が持ってきたクッキーを食べてしまったのがバレたか。
それとも、この前の強風の時にスカートがめくれ上がった瞬間、部長のパンツ見たのがばれたか。
あっ、ちなみに色はピンクでした。

京太郎「というわけですみません、ちょっと先に失礼します」

霞「須賀君!」

そういって踵を返した瞬間、石戸さんから声をかけられた。
軽く振り向くと何かを決心したかのように辛さを押し隠した表情の石戸さんが口を開いた。

霞「須賀君が幸せだっていうなら……もう、何も言わない。だけど、辛いことがあったら相談に乗るから。いつでも頼ってね」

京太郎「? ありがとう、ございます?」

そんな思い言葉をかけてもらうほどのことを俺、話しただろうか。
まぁ、気づかっていただけるのはありがたいのでお礼だけ言う。
それにこれからも石戸さんと接点もてるぜヒャッホウっていう下心もあった。

京太郎「それじゃ、失礼します」

霞「えぇ、また、ね」

そういいながら霞さんは少し辛そうに手を振ってくれた。
もしかして石戸さん俺に一目ぼれしたか?
だから俺にこんな優しいのか!?
いやーつれーわ。イケメンって、まじつれーわ……って。

ないない。あるわけない。

染谷先輩がぶりっこキャラに目覚めて「まこりんだよ♪」とか言い出すぐらい、ない。
咲の単行本が3か月に1回のペースでコンスタントに出るぐらい、ない。

……むっ、何か怪しい電波を受信したみたいだ。最後にわけわからんこと言ってしまった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/368.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice