過去ログ - 京太郎「俺が奴隷扱いされてるっていう噂が流れてる?」
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871: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/12/25(水) 22:49:15.40 ID:TxZiIDS3o
京太郎「今日こそは……」

我等が清澄高校の準決勝を翌日に控えた夕暮れ時、本日は部員一同ゆっくりと過ごすこととなった。
こんな状況なので人目を気にしているというのもあるが、最近はいろいろありすぎてみんな疲れ気味だ。
和などは最近は掲示板の内容に目を通しつつ怒ると言う大変不毛な行為を繰り返している。
見るのをやめればいいもののどうしても気になるそうな。
俺もホテルでゆっくりしていようと思ったが、どうしても行きたいところがあったのでこうして東京の街を歩いている。

京太郎「さて、今日は居るかな?」

財布の中の小銭を確かめながら、俺は目的地であるゲームセンターに足を踏み入れた。
入り口に設置されているクレーンゲームや大型筐体には目もくれず、比較的奥に設置されている格闘ゲームのコーナーに足を向けた。
休み中なので俺と同じような高校生と思われる人間も多い。
その人ごみをかき分けながら、筐体の一つ一つに目を向ける。

京太郎「居たっ」

思わず口に出てしまう。
プレイヤーネームに『AwaAwa100』という表示。
筐体の向こう側でプレイしているため顔は見えないが、間違いなく彼女だ。
相変わらずのえげつない腕で、俺の目の前で対戦している少年が操作しているキャラクターを固め殺している。

京太郎「あの6Cを1発目から小パンで……」

考えてきた対策を軽く口に出して復習する。
まぁ、この状況で分かったと思うが俺はリベンジにやってきたわけである。

大会始まる前の期間にぶらりと寄ったゲーセン。
せっかく東京に来たんだからと軽い気持ちでよくやっている格ゲーをプレイしてきたときに乱入してきたのがこいつだ。
正直自分の腕はそこそこあると思っていたが、そんなプライドをメタメタのギッタギタにしてくれたのがこいつだ。
負けも負けたり20連敗。しかも対戦していたのが自分と同じぐらいの女の子とあっては凹みに凹んだ。

あれから何度か対戦を挑んでいるが今のところ全敗である。
しかし、この前対戦した時は惜しいところまで行ったのだ。
最終セットまでもつれこみ、大技が入ってコンボを完走すれば勝ちというところだった。

京太郎「まさか、残影牙拾いに失敗するとは……牙昇脚にしておけばよかったなぁ……」

あとちょっとで勝ちというところで痛恨のコンボミス。
そしてグチャグチャっとなったところであえなく敗北した。
思わずうがーっと叫んだところで、お互い顔ぐらいは知っている程度に対戦していたが会話はしたことがないはずのあいつにこう言われたのだ。

?『コンボミスをすることで勝ち確を逃すことができるwwwwwねーねーアレ落とすってどうなのwwwwww今どんな気持ちwwwww』

人は言った。格闘ゲームは人の性格を悪くする、と。
若干記憶が脚色されている気もするが、ファーストコンタクトがこれだからかわいい女の子といえども印象最悪である。
で、そう言われて顔真っ赤になった俺は懲りずにこうやってリベンジにやってたのだ。
ちょうど目の前の少年がパーフェクト勝ちをされ、肩を落として席を立った。
俺は入れ替わるように席に座ろうとして、気になっていたことを思い出し、筐体の向こう側を覗いてみた。

?「〜♪」

そこにはCPUを相手に楽しそうにコンボ練習をする姿。癪な話だがかなりの美少女、というやつだろう。
そうやって、改めて顔を見直して俺は確信した。

京太郎「(……やっぱり)」

3人で観戦したAブロックの準決勝。
観客席から見つめる画面の向こうに、俺をぼっこぼこにした奴が白糸台の大将として恐るべき実力を発揮する姿があった。
その立ち振る舞いは負けた俺を煽る姿とは一致せず、思わず呆気にとられたものだ。

京太郎「(白糸台の大将……大星淡、だったか。麻雀も強くて格ゲーも強いとかなんだよそれ)」

この世の不公平さを嘆きつつ、俺は100円を入れてカードを筐体に読み取らせた。
今日こそは勝ってやる。
こうやって負け続けるのは精神衛生的にも財布の中身的にも大変よろしくないからだ。



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