過去ログ - フィアンマ「許されるのなら、もう一度だけ」
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28: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/03/28(木) 09:44:01.33 ID:3bmwWCw80

「お前が世話になった少年の家はどちらだ」
「こっちなんだよ」

二人の魔術師は、上条当麻の家を目指して歩いていた。
その足取りはかなり早いもので。
昼食を長時間摂っていたこともあり、上条の家へ到着したのは夕方だった。

「『人払い』を敷いておくべきかね」
「出来ればお願いしたいけど…魔術師相手だと破られるかもしれないんだよ」
「安心しろ、恐らく俺様よりは格下だ」

傲慢に言い切り、フィアンマはルーンを壁に刻む。
相手がルーン使いであれば或いは破られるか、とも思う。
インデックスは彼の行動に安堵しつつ、上条の部屋へ侵入した。
そそくさと白いフードを手にし、頭に被る。

(…うん、後は…イギリス系の教会に助けを求めれば大丈夫、かな)

廊下に戻る。

「回収出来たんだよ。本当にありがとう」
「構わん。……これからどうするつもりだ」
「イギリス清教の関与している教会に身を寄せるつもりかも」
「……そうすれば、お前は記憶を消去されるぞ」
「え?」

戸惑う彼女を、金色の相貌が捉える。
インデックスは困惑しながら、フィアンマを見上げた。
彼は、現時点でインデックスが抱えている事情を知っていた。

一年ごとに記憶を消されなければ生きられない体へ貶められている。

アウレオルス=イザードと話をして、随分と前から。
それを解決しない限り、彼女は地獄の底に居続ける事も。
そしてそんな状態になっている原因は、既に掴んでいる。

「俺様は、お前を救う。…全てを知っている。一度見て、聞いて、知った事だからだ」
「何を、言ってるの? …私と一緒に逃げてくれるってこと?」
「そう言い換えても良いのかもしれないな、或いは」
「……ダメだよ。そんなの」
「何がどうダメなんだ?」
「私と一緒に居ると、……地獄を見るから」
「地獄なら、もう何度も見ている」

だからこそ世界を救おうと決意して、間違えた。



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