過去ログ - フィアンマ「許されるのなら、もう一度だけ」
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30: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/03/28(木) 09:44:50.17 ID:3bmwWCw80

フィアンマはかつて、好きなだけ情報を引き出した彼女の頭を、撫でる。
その手つきは優しく、慰めるように、守るように丁寧なもの。

「私の事情に巻き込みたくないんだよ」
「良いんだ。これは、罪滅ぼしだ」

自分の為に、この少女を傷つけた。
だから、やり直すのであれば、彼女を守らねばならない。
救わねばならないと思うし、助けなければならないとも思う。

「お前は知らない事だが、俺様はお前を傷つけた」
「昔…?」
「いいや、未来の話というべきか」
「何を言っているかわからないかも」
「俺様自身もわかっているとは言えないな」

突如として、炎剣が飛んできた。
フィアンマは咄嗟にインデックスの前へ出る。
彼の服に仕掛けられている防御術式が、炎剣を消した。
暗闇の中から、声が聞こえてくる。
現れたのは、赤髪の、神父服を纏った少年だった。

「悪い事は言わない」

彼は、ルーンのカード束を握ったまま、フィアンマを睨む。
その眼光は静かながら、鋭いものだった。

「彼女をこちらに引き渡してくれれば、後は関与しない」
「残念だが、それは聞けない頼みだ」
「…頼みではないよ。忠告、といったところかな」
「生憎、忠告を受けて容易く行動を変える性格はしていないものでな」

唯一、影響を受けたのは。
命懸けで自分を助けた、あの男だけだ。



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