過去ログ - フィアンマ「許されるのなら、もう一度だけ」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/03/28(木) 19:47:42.90 ID:puv+q/P80
「もう行っちゃうの?」
廃ビルから出ようとしたところで。
インデックスの声がかかり、フィアンマはピタリと止まった。
顔を見なくても、寂しそうな表情は見てとれる。
戦争中、意識が繋がる度に自分へ説教していた女と、同一人物なのだから。
「俺様は部外者だ」
「それは、…わかるけど、でも、」
「イギリス清教に身を置き続けるのなら、気をつけろ」
「……うん」
「……では、」
「待って。…名前、教えて欲しいかも」
「名前?」
問われ、戸惑う。
絶対に名乗る訳にはいかない。
フィアンマは迷って、悩んで、嘘をついた。
本当なら歴史に刻まれる筈だった名前だ。
「上条当麻」
「…上条当麻?」
「……ああ」
彼は、一歩踏み出す。
次の瞬間には、彼の姿は消えていた。
残された三人の魔術師は、とある東洋人の少年の名を、脳内で繰り返していた。
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