過去ログ - フィアンマ「許されるのなら、もう一度だけ」
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46: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/03/28(木) 19:48:04.97 ID:puv+q/P80

少年は、走っていた。
ただひたすらに、武装無能力集団(スキルアウト)から逃げていた。
息が切れ、苦しく、遂には胸が痛くなってくる。

(な、何なんですか今日の不幸はーッ!?)

時刻は午後七時四十二分。
上条当麻は全力で疾走しつつ、泣きそうになっていた。
自分はただ補習を終えて、家に帰ろうとしていただけなのに。
一度家に帰って、買い出しに行こうと思い返し、買い出しに行っていただけなのに。
買い物袋を持ったまま走るのは辛いし、後ろからはナイフが飛んでくる。

「うううう畜生ー!! 不幸だあああああ!!!」

今日のラッキーな事といえば、白い修道女の女の子の謎服を右手の効果で破いた事位だ。
女の子の裸を見たのは今日が初めてだった。きっとこれから先は無いだろう。
そんな余計な事を考えていると、ナイフが僅かに頬を掠る。

「ッ、」

どうすればいいんだ。

思いつつ、路地裏へと逃げ込む。
すると、急に気配が立たれた。
スキルアウトの集団は、上条が路地裏へ飛び込んだのを見た筈なのに、追ってこない。

「ま、撒いた…?」
「そのようだな」
「!!」

暗闇から聞こえた声に、上条は咄嗟に振り向く。
気付けば、両手に買い物袋が無かった。
路地裏の奥の方へ投げ込んでしまっていたようだった。

そんな、買い物袋をキャッチしてくれたらしい。

二つの袋を抱えた赤髪の青年が、暗闇から姿を現した。

「あ、それ俺の…」
「お前の買い物袋だろう。唐突に投げ込まれ、こちらとしても驚いたぞ」
「すみません…後、ありがとうございます」

素直にお礼を言い、上条は青年から袋を受け取る。
青年、もといフィアンマは、首を横に振った。



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