過去ログ - フィアンマ「許されるのなら、もう一度だけ」
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48: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/03/28(木) 19:48:33.10 ID:puv+q/P80

「礼を言うのは、俺様の方だ」
「へ?」

上条は不可解そうに、フィアンマを見上げる。
フィアンマは彼の右腕を見て、顔を見て。
そして、僅かに口元を歪めて笑みを作った。

誰かを嘲る為ではなく。
苦しみを堪える為ではなく。

誰か<一人分の世界>を救えた達成感、そのままに。

「今のお前に謝っても、仕方の無い事かもしれない」
「何を、」
「だが、言っておく。…ありがとう。それから、すまなかった」

一方的に言葉を押し付け、フィアンマは背を向ける。
上条から逃げ出すように、そのまま姿を消した。
残された少年は買い物袋を持ち直し、首を傾げる。

「……『ありがとう』?」

自分は一体彼に何をしたのだろうか、と思いつつ。
今度こそ安全となった家路を、ゆっくりと歩き出した。



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