71: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:12:17.60 ID:WRQTCoCwo
 「君のお母さんは君を売ったんではなく、 
  君たち二人の身を遠くにやることで守ったんだよ」 
  
 「石の発動は君等自身の血。その君等が捕まってはお終いだからね」 
  
72: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:12:57.37 ID:WRQTCoCwo
 「まさかこんなに早く追手に見つかるだなんて夢にも思わなかっただろうに」 
  
 「世界の滅亡に手を貸す子供を育てるくらいならば、 
  どこか遠くへ売ってしまえばいいと、そう思ったのさ」 
  
73: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:13:34.60 ID:WRQTCoCwo
 「だけど敗北に終わった。そこからこの村は僕達クロイ帝国のものなのさ」 
  
 「結局、君は引き取った領主が交渉したのかなんなのかはわからないが、 
  無事に農奴になり見苦しくも生きていたってわけだよ」 
  
74: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:14:14.23 ID:WRQTCoCwo
 「もう、喋りすぎだよ」 
  
  
 ニコッと御手洗翔太に言う春香の目は笑ってなどいなくて 
 むしろ怒っていた。 
75: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:14:52.63 ID:WRQTCoCwo
  
 「はい! そりゃあもちろん大丈夫ですよ」 
  
 「そう……ならいいけど」 
  
76: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:15:26.41 ID:WRQTCoCwo
 そう自分で自分に気合を入れなおす御手洗翔太。 
  
  
 御手洗翔太……許さない。 
 クロイ帝国……絶対に許さない。 
77: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:16:30.78 ID:WRQTCoCwo
  
 剣を握る。固く、より強く握るその手はブルブルと震えていた。 
  
  
 春香がいなくなったことで 
78: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:17:01.88 ID:WRQTCoCwo
  
 「千早! ……まだ間に合うかもしれない。回復薬を」 
  
 「もう間に合わないわ。国王の時も私はこの腕に抱いていた」 
  
79: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:17:56.29 ID:WRQTCoCwo
 萩原さんがそっと真の方に手を当てて引く。 
 目で何かを訴えていたのを真も受け取ったのか萩原さんと二人で 
 お母さんの遺体を抱え近くを離れた。 
  
  
80: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:19:55.41 ID:WRQTCoCwo
 「だって、ずっと恨んでたんでしょう?」 
  
 「子供の頃に何も知らずに売り飛ばされちゃって……さぞかし大変だっただろうに」 
  
 「黙れ!!」 
81: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:21:15.88 ID:WRQTCoCwo
 「僕が殺したんじゃあないんだけどなぁ〜?」 
  
  
 思い出して、集中するのよ。 
 この怒りも何もかもを私の力に変える。 
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