755: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:26:52.82 ID:abMfBsPXo
  
 「お前の言う通り疑うこともあった。だけど、見ないふりをしてきた」 
  
 「俺は……そんな自分が許せなくもあったんだ」 
  
756: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:27:46.87 ID:abMfBsPXo
  
 「このあとのことはあなたには辛すぎる」 
  
  
 それは彼自信がずっと支えてきた帝王の抹殺を意味していた。 
757: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:28:55.94 ID:abMfBsPXo
  
 天ヶ瀬冬馬はそれだけ聞くとため息をついて、その場に座り込んだ 
 そして、黒井が消えていった扉の向こうを指さしていた。 
  
  
758: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:29:23.91 ID:abMfBsPXo
  
  
 「俺だってたくさん失っちまったんだ」 
  
 「もう失わないために……今度は守らせてくれよ」 
759: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:30:07.12 ID:abMfBsPXo
  
  
  
 「俺の小さい頃の夢ってさ、立派な勇者になることだったんだ…… 
  って言ったら笑うか? 俺は今、どう見えてるんだ」 
760: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:31:00.71 ID:abMfBsPXo
  
 それは決して優が天ヶ瀬冬馬の中にいたからという訳ではない。 
 優はどの道、もうあの身体の中にいるのは申し訳なく思ってるだろうし、 
 長居しすぎてしまっているためにもう居座るのはやめようと思っているはず。 
  
761: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:31:26.89 ID:abMfBsPXo
  
  
 「こ、これは……」 
  
 「何……この部屋は」 
762: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:32:07.21 ID:abMfBsPXo
  
 「……優……?」 
  
  
 身体は細く、だけど、身長はずっと伸びていた。 
763: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:32:33.75 ID:abMfBsPXo
  
 だけど、これはもうあの子はいない。 
 この身体はもう消滅しなければならない。 
 魂と一緒に。 
  
764: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:33:18.10 ID:abMfBsPXo
  
 「おめでとう……やっと、ゴールしたんだね」 
  
  
 「っ!?」 
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