787: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:52:59.85 ID:abMfBsPXo
「そこの水槽に入ってるあの子の身体はもうとっくのとうに朽ち果てているわ」
「魔法でできた特殊な水につけてあるのだろうけれど、
きっとそこから出したら身体はすぐに元のあるべき姿へ還る」
788: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:53:28.79 ID:abMfBsPXo
「だけどね」
「私には戦争を止めなくちゃいけないの」
789: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:54:09.47 ID:abMfBsPXo
「悲しんだわ。私は。とても悲しかった。
立ち直れないと思ってたし、ずっと引きずっていた」
「私が死んだことを?」
790: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:54:38.49 ID:abMfBsPXo
「きっとみんなが、世界中の人が死ぬことなんてなくて
なんでも手に入ってなんでもできて毎日をダラダラと過ごして……」
「飢えて苦しむこともなくて、働きもせず」
791: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:56:28.36 ID:abMfBsPXo
そうして優しく微笑んでいた春香の顔から笑顔は消え、
暗いどこまでも暗く、人を喰らうような暗黒の一面を見せる。
792: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:58:37.27 ID:abMfBsPXo
震えるほどの寒気がする春香の気迫に飲み込まれそうになる私は
すぐに剣を構える。
793: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:59:15.00 ID:abMfBsPXo
春香は自分の目の前に手を伸ばす。
手のひらには空中からどこからともなく集まった光が集結し、
それは一本の剣を作り出していた。
794: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:59:56.14 ID:abMfBsPXo
「私はね、春香。あなたを死なせてしまったことに罪を感じているの」
「ずっと引きずっていたし、今でもそう」
795: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 15:00:33.09 ID:abMfBsPXo
「賢者の石の力を使って私を元の人間に戻そうなんてそうはいかないからね」
誰もいない部屋で、春香の声だけが鳴り響く。
796: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 15:01:05.87 ID:abMfBsPXo
「……あの頃にはもう……戻れないのね」
「千早ちゃん……今ならまだ許してあげるんだからね」
797: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 15:02:38.46 ID:abMfBsPXo
「目と目が逢う
瞬間好きだと気づいた」
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