過去ログ - みどり「恋の花咲くバレンタイン」
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8: ◆B4MtamakoQ[sagesaga]
2013/03/29(金) 22:43:12.22 ID:m8VZBQg0o
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放課後になると、私は鞄とバトンケースを提げて中庭へと向かった。
同じクラスなんだから、一緒に行けばいいものを、大路は学校が終わった途端せわしく出ていってしまった。
私が中庭へ着くと、大路は中庭にある木の木陰に置かれたベンチに座っていた。
大路は私に気付くとベンチから立ち上がって、私と向かい合う形になる。
もち蔵「お、おう常盤。わざわざ悪いな」
みどり「いいけど……。どうしたの?」
もち蔵「……あ、あのな常盤、俺、たっ、たまこに告白しようと思うんだ!」
大路は緊張からか大声を出したせいで、木に止まっていた小鳥が動じて飛んでいった。
同じように私も動揺している。
思い返せば、私は大路がなかなかたまこに告白できないヘタレだということに甘えて安心しきっていたのかもしれない。
大路だってきっと昔からたまこのことが好きだし、私達は3年生を間近に控えている。
ついに決心を固めてきたのだ。
みどり「ばっ、馬鹿! 声がでかい!」
もち蔵「すっ、すまん」
みどり「……で、告白するのは構わないんだけどさ、い、いつ告白するのよ」
動揺を隠すための強がりで自分の気持ちとは裏腹なことを言ってしまった。
挙句の果てに、私は大路がたまこに振られるのをこの目で見たいと期待してしまっている。
もしもたまこが大路の告白を受け入れたら、私がたまこと付き合える余地は無くなってしまうけれど、この気持ちをずっと心の中に留めておくのも、一つの道だと思う。
私が告白なんてしたら、きっとたまこを混乱させてしまう。そんなことは昔から考えていたけど。
逆に、大路が振られてしまえば最大のライバルが消えることになる。
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