過去ログ - 劇場版・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/29(金) 22:45:25.41 ID:4764DHEAO
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「初仕事が生ゴミ処理とは恐れ入るわ。これも“学園都市暗部”ってやつの任務の一環なのかにゃーん?」
電話の女「こいつときたら!駆け出しの癖して一丁前に仕事選り好みしてんじゃないわよさっさと働け!」
学園都市第二三学区。それは戦闘機や無人ヘリから始まり航空・宇宙開発と多岐に渡る特殊な学区である。
一般学生立ち入り禁止区域。少女はそこで手にした生存者リストを指先でなぞりつつ雨夜に佇み通話する。
その眼前には大気圏再突入時に機体を覆う融熱ジェルの残滓も生々しい、左翼の折れた宇宙船オリオン号。
少女は操縦席に飛び散る炭化した血痕を目にしても身じろぎ一つせずに、電話の声を涼しげに受け流した。
「もう終わってるわ。嗅ぎ回ってたジャーナリストはコインロッカーに箱詰めしてあるから後はよろしく」
電話の女「いいね!クライアントも大喜びしてくれるだろうね」
少女の初仕事。それは後に『88の奇蹟』と呼ばれるオリオン号不時着事件について調べていた者の始末。
表向きは乗客、乗組員、合わせて88人が生還した事になってはいるが実際には機長だけが死亡したのだ。
それを嗅ぎ回っていたジャーナリストは今、学園都市二三学区駅のコインロッカーで冷凍保存されている。
これが仕事?と少女は栗色の髪の緩く巻いた毛先を弄りながら渇いた笑いを浮かべていた。くだらねえと。
電話の女「じゃあ無事に試験合格って事でこれからあんたには学園都市暗部の組織の一つを率いてもらう」
「そう」
電話の女「でさでさ、やっぱり組織と来ればイカしたネームが必要だよね。それ、あんたが決めていいよ」
作られた奇跡も、真実を追い求めた記者も、顔も名前もわからない女からの電話一本で人を[
ピーーー
]自分にも。
「アイテム」
電話の女「アイテム?」
「項目、道具って言った方が良いかしらね。命以外何もかも無くした使い捨ての道具にはちょうどいいわ」
少女は絶望していた。この星座さえ見えない闇夜の中、堕ちて行く自分の未来にさえ見出せるものがない。
電話の女「じゃあこれからもよろしく。“アイテム”リーダー」
夢も、希望も、幸福も、未来も、何一つとしてありはしないと少女はそこで通話終了ボタンを押し、呟く。
「……救えねえ」
――斯くして物語はこの雨夜より三年後を舞台に幕を開ける――
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