過去ログ - 劇場版・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/29(金) 23:06:14.92 ID:4764DHEAO
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禁書目録「ありさ、大丈夫?すごく顔色が悪いんだよ」

鳴護「大丈夫だよインデックスちゃん。何だか嫌な事を思い出しそうになって」

麦野「………………」

鳴護「ああいう墜落事故現場みたいなのを見るとなるの」

噴水公園を後にした後、鳴護は上条達の部屋へと匿われ、今は床に敷かれた布団に横になっていた。
その顔色が優れない事は立て掛けられた折り畳み式ベッドに寄りかかる麦野の目にも明らかだった。
最初は突如として始まった戦闘で強いられた極度の緊張と弛緩によるものかと思ったが違うらしい。

鳴護「――あたしね、三年前からの記憶がないの。多分、その切っ掛けになったのが飛行機事故だと思う」

禁書目録「私と同じだね」

鳴護「えっ?」

上条「……インデックスにも一年前からの記憶がないんだ」

鳴護「そうだったんだ……」

布団から半身起き上がらせる鳴護の背中を寄り添うインデックスが支え、上条が青髪との通話を切った。
鳴護の手には、先程バッグから取り落とし拾い上げたブレスレット。それに目を落としながら語り出す。

鳴護「……あたしはそれから施設に引き取られたの。あたしには何もない。その時身に付けてたブレスレットと、この歌声以外」

自分には歌しかないと。

鳴護「歌っていれば、自分はここにいる、ここにいてもいいんだって、そう思える気がした。だけど……」

俯く鳴護の目から零れる涙がブレスレットに落ちる。もし先程のような争い事の原因が自分にあるならと。

鳴護「あたしが歌う事で、ここにいる事で、誰かが傷つくなら」

麦野「止めな」

禁書目録「しずり……」

いっその事と言いかけた鳴護に被せるように、それまで静観を決め込んでいた麦野が腕組みして口を開く。

麦野「私にはないもんだし、言えた義理でもない、そういうキャラでもない。だけどあんたの夢の終着駅はこんな所でいいの?」

鳴護「………………」

上条「オーディション受かったんだろ?やっと切符を手に入れたばっかりなのに本当にここで途中下車して良いのか?違うだろ」

鳴護「……あたし」

禁書目録「私は、ありさの夢が叶うところが見たいんだよ!皆の前で、私の心に響いて来た、ありさの歌う姿が見たいんだよ!」




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