過去ログ - P「安価でアイドルプロデュースしてIA大賞受賞を目指す」2
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944:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 01:39:33.46 ID:OVhewnhko



千早の日記 5月24日



律子が、お見舞いにきてくれた。
春香は住んでいるところが遠いから、あまり頻繁にはきてくれないけれど、
律子はよく顔を出してくれる。嬉しい。


……この部屋には、何もない。
夢も希望も、メロディも。


私の心を満たしてくれるものは、たったひとつしかない。
弟の形見である、大きなクマのぬいぐるみだけ……。


  *  *  *


私が再び声を失ってから、今日でちょうど半年になる。
こんな風に長期間に渡って声が出なくなったのは、これで二回目だ。

一回目は、優が死んでしまったとき。
あの頃、まだ小さかった私は、優が間違って私の声まで天国に持っていってしまったのではないかと、
本気でそう考えていた。

今思うと、微笑ましいくらいに可愛い考えであったと思う。
今ではとても、そんな風には考えられない。


  *  *  *


……いつになったら、私は再び、歌を歌えるようになるんだろう。
もしかしたら、もう二度と、歌なんて歌えないのかもしれない。
そう考えると、自分の半身を失ってしまったように感じて、涙が出そうになる。


もちろん、いつかこんな日が来るということは私にはわかっていたし、
それが決して遠くない未来だということも、覚悟していた。


あの頃、私達がまだ純粋に夢を見ていた頃だって、
私は日に日に激しくなっていくノドの痛みと戦いながら、
必死に歌を歌っていたから。


私の気持ちに対して、私の身体は、とても弱かった。
ただ、それだけのこと……。



でもせめて……、せめて最後まで、納得のいくまで、歌わせて欲しかった。




もう、私は歌えない


もう、大好きだった仲間の名前も呼べない



もう、私には、生きている意味なんて……



(……ここから先は、文字が滲んで、読み取ることができない)


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