6: ◆GorJQ6qPNeO8[saga]
2013/04/02(火) 01:53:41.59 ID:DjLuhO3Wo
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一人の黒髪の女性がもくもくとキャンバスに向かっている。
キャンバスに描いているのは大木だ。
しかし、中央あたりになにも描かれていない空白の部分がある。
大木はもはや完成形と言ってもいいほど立派な出来栄えにもかかわらず、細かいところを何度も何度も書き直している。
空白の部分を埋めようという気は無いようだ。
「舞、あなたまたその絵を描いてるの?
そんな完成しない絵を描くくらいならあっちを仕上げてよ」
あっち、と指差したほうには、海や空といった自然をモチーフにした絵画が何点か並んでいる。
「舞」
絵を描き始めると、特にこの絵を描き始めるとこの女性は周りが見えなくなるということを思い出し、強めに再び声をかける。
「えっ?あ、薫さん……ごめん、なに?」
「その絵より、あっちの絵。
納品日一週間後よ?わかっているの?」
薫、と呼ばれた女性はスケジュール帳を見ながらそういった。
「そうね、そうするわ。
それよりも、薫さん」
舞と呼ばれた女性は筆をおくと薫のほうへと向き直った。
「あなたの作品も何点か出してみない?」
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