過去ログ - 【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その2ね」
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◆5m18GD4M5g
[saga]
2013/04/28(日) 23:41:04.14 ID:1bK2EZKD0
……明日は数学の授業があるし、ぼっちである俺は他人から教科書を借りるという選択が出来ない。
よってこの条件より導き出される答えは、最終的に三択に絞られる。
1つは雪乃から連絡が来るのを待つことだが、これは確実性に欠けているので却下。
1つは別の誰かから雪乃のアドレスを訊き出すことだが、これは今更感があり妙な噂が立てられかねない(既に噂話が立っているが気にしたら負け)ので却下。
最後に雪乃の家に直接向かうという選択肢は、誰にも見つからなければ特に問題はない。
ただ雪乃の家までの距離が遠すぎるのと、昨日からの睡眠不足で帰り道の途中でぶっ倒れる可能性があるのが一抹の不安を感じる。
比企谷「……でもまあ、背に腹は変えられねぇか。数学の授業でテストの結果だけじゃなく授業態度まで悪かったらもう救いようがねぇしな」
授業中の態度というのは意外と成績に反映されるものである。
最近の集会で聞いた進路指導部の先生のありがたいお説法曰く、「授業中に寝ててもテストで90点を取る生徒より、授業を一生懸命受けて80点を取る生徒のほうに通知表で良い成績を付ける」らしい。
教師も人間である。やはり自分に関心を向けてくれる人間には甘くしてくれるものだ。
だから目上の人間に媚を売るのは悪くないことだと思う、人間強度は著しく低下するけどな。
俺の親父みたいな人間が量産されるとか地獄絵図だろ……。
とりあえず貯金箱から野口さんを二人財布へ召喚し、手早く制服から私服に着替える。
スマホの電池の残量を確認すると残り50%といったところだ。まあ誰からもメールとか来ねぇから問題ないだろう。
自室の電気を消して部屋から出て、階段を素早く降りる。
カマクラ「ニャー」
比企谷「ん? カマクラ?」
階段を降りたところで聞き慣れたカマクラの鳴き声が聞こえた。
比企谷「あれ、なにお前まだメシ貰ってねぇの?」
俺がそう訊ねると、カマクラは床にぺたりと座って尻尾をパタパタと動かす。
カマクラ「ニャー」
これを人間の言語に翻訳するとこうなる。
カマクラ「ニャー(腹減ったから早くメシよこせ、間に合わなくなっても知らんぞ)」
比企谷「……小町のやつ、ちゃんとメシやってから出かけろよ……」
俺は猫のエサを持ってきて受け皿に入れてカマクラに差し出す。
カマクラはエサに鼻を近づけてクンカクンカと匂いを嗅ぐと、無言のまま俺を見上げてきた。
カマクラ「……、(おい、なんでいつも固形のヤツなんだよ。たまには魚食わせろ)」
比企谷「うるせぇ、黙って食え」
カマクラ「ニャー(……ったく、これだから人間ってやつは困るぜ。てめぇらばっかいいもん食いやがって、ぶくぶく太って豚になっちまえ)」
比企谷「……、」
俺は防犯対策にリビングの電気を付けたまま家を出た。
玄関の鍵をしっかりと締め、自転車に跨り両足に力を込める。
上弦の月が夜闇で淡く輝く中、俺は雪乃の住まうマンションへと向かった。
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