過去ログ - 【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その2ね」
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670:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g[saga]
2013/05/04(土) 00:39:51.74 ID:v7d/Z+OJ0

雪ノ下「……で、でもそれではあなたの帰りが遅くなってしまうじゃない」

比企谷「大丈夫だ、問題ない。この世で俺の帰りを待っている人間は小町しかいないからな」

雪ノ下「あなたが小町さんに向ける全幅の信頼は相当ね……」


それに比べて私と姉さんは……。……少しだけ、比企谷くんが羨ましく感じるわ。


比企谷「けどその小町も絶賛外出中なんだけどな。なんか由比ヶ浜のやつと一緒に出掛けてるんだと」

雪ノ下「由比ヶ浜さんと小町さんが?」

比企谷「ああ、ついさっき連絡があってさ。――ほれ」


比企谷くんはそう言って私にスマートフォンを手渡してきた。

人差し指で馴染みのない画面を恐る恐る操作して、小さな画面から情報を取得する。


比企谷「途中で小町が平塚先生も呼び出したらしくてな、今は3人でラーメン食いに行ってるらしいぞ」


その画面にはラーメンを啜る平塚先生と由比ヶ浜さんの写真が映っていた。

この一枚から推測すると、写真を撮っているのは小町さんということになるのだろう。


雪ノ下「そう、小町さんはあなたとは違ってコミュニケーション能力に長けているのね」

比企谷「ああ、俺を反面教師にしたおかげでな。つまり今の小町は俺が育てたと言っても過言ではない!」

雪ノ下「……小町さんも大変ね、こんな残念無双な兄を持って生まれて」

比企谷「うっせ、ほっとけ」


雪ノ下「………………私も、あなたみたいな兄がいれば………………」


比企谷「……雪乃?」

雪ノ下「……っ、な、なんでもないわ」


私は比企谷くんにスマートフォンを返すと、彼に表情を見られないように背中を向ける。


雪ノ下「(……最近はたらればが多くて駄目ね。ありもしない幻想を追いかけても、手に入るのは虚しさだけというのに……)」


沈んだ心を無理矢理奮い立たせて、頬に力を込めて口角を吊り上げ、比企谷くんの正面に向き直り目を細める。


雪ノ下「それじゃあ比企谷くん、自宅までのエスコートを頼めるかしら」

比企谷「……あ、ああ、頼まれた。いざとなったら国家権力を呼び出すし、防衛対策はバッチリだからな」

雪ノ下「そう、それを聞いて安心したわ。……けれど、もしかしたらあなたが警察に補導されるかもしれないから、くれぐれも言動には注意しなさい」

比企谷「おいやめろ、暗に俺の顔が犯罪者っぽいとか言ってんじゃねぇよ。母ちゃんから『人は顔で判断するな』って習わなかったのかよ」

雪ノ下「生憎、私が物を習ったのは専属の家庭教師からなのよ。長女で後継者である姉さんはともかく、私が母と接する機会なんてほとんどなかったわ」

比企谷「……そ、そうか」

雪ノ下「……まあ、私の家の事情なんてものはどうでもいいのよ。とにかくエスコート、お願いするわね」

比企谷「ああ、わかった」


そうして、私と比企谷くんは並行して夜道を歩いた。




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