過去ログ - 【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その2ね」
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714:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g[saga]
2013/05/05(日) 00:19:56.32 ID:z4z1U93Q0

比企谷「……ん? なぁ雪乃、お前さっきまで付けてたネックレスはどうした?」

雪ノ下「……え?」


比企谷くんに指摘されて、私は自分の首元に視線を落とす。

そしてその時、私は初めて気が付いた。

私が着替える時に身に付けたはずの猫型のネックレスが、忽然と姿を消していたことを。


比企谷「……、もしかして走ってる時に落としちまったのか?」

雪ノ下「それは……分からないわね。とにかく無我夢中で走っていたから、全然気が付かなかったわ」

比企谷「そのネックレス、結構大事な物なのか?」

雪ノ下「いえ、あまり思い入れのある品ではないけれど……」

比企谷「そうか……」


比企谷くんはそう小さく呟くと、それっきり黙ってしまった。


雪ノ下「(……あ、そういえば鞄の中にハンカチを入れていたわね)」


私は鞄から二組のハンカチを取り出し、その内の一つで額に浮かぶ雫を拭き取り、もう一つを比企谷くんに差し出す。


雪ノ下「比企谷くん、これ、よかったら」

比企谷「ん? ああ、サンキュ」


比企谷くんはハンカチを受け取ると、それで額に浮かんだ汗や頬を伝って垂れた雫を拭き取る。

私はそれを流し目に見ながら、携帯を開いて時間を確認する。

時刻は21時30分を過ぎていた。

私のマンションから駅までは歩いて10分程、今帰ればそう遅くならない内に比企谷くんは自宅に帰ることが出来る。


比企谷「……んじゃ雪乃、俺そろそろ帰るわ」


そう言ってソファから立ち上がった比企谷くんは、ポケットにハンカチを仕舞った。


比企谷「このハンカチ、洗って明日返すからな。そんじゃ」


比企谷くんは私の横を通り過ぎ、彼は手を上げて去って行く。

その後姿は、先日の文化祭の時に見送った彼とまったく同じだった。

夜も遅い事だし呼び止めようという考えが頭を過ぎったが、それは無粋だろうと思い開きかけた口を閉じた。

その代わり、私は右手を上げて左右に小さく振ってこう告げた。


雪ノ下「ええ、また明日」


彼の後姿が見えなくなるまで、私は手を動かすのをやめなかった。




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