過去ログ - モバP「うさみんせいじんのそうぞうりょく」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/04/02(火) 13:45:49.07 ID:TTlMlF/M0

そこからはどうやって家に帰ったのか覚えていません。

適当にふらふら歩きながら帰ったんだと思います。
帰ったらただいま、それだけを伝えて自分の部屋に戻りました。

淡いピンク色をした、ナナには少しだけ大きなベッドに横になりました。
あたまもとには、たくさんのぬいぐるみ。小さな頃から集めていました。
嫌なことがあったとき、寂しいとき。そっと抱いて寝た記憶があります。

もうすぐしたら受験も近づいてくるのに。首だけを回して、勉強机を見ました。
並べられた参考書、ノート。どれも小さな付箋を張っていて、女の子らしい字でメモをして。

勉強をしなければいけないのに。そう思っても、机に座ることはありませんでした。
…そうじゃない、かも。座る気になれなかったから、座らなかっただけ。

ナナに与えられていたのは権利でした。義務ではなくて、権利。
高校を卒業して、就職することも、進学することも自由だったわけですから。

あの2冊の雑誌を思い出しました。

ナナはアイドルになりたい。でも、失敗することが怖い。
かと言って、大学へ行って目標があるわけじゃない。
ああ、どうしたらいいんだろう。

希望と絶望がナナを取り込んだときには、意識は既にありませんでした。




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