過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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19: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/02(火) 22:44:33.86 ID:Y3hy9anU0
誰にも望まれず、誰にも愛されず、生まれ、生き、そして死んでいった一万人の妹達。
そのほぼ全員を美琴は知らないし、どこで死んだのかも分からない。
ならばせめて知っている者にだけでも墓前で教えてあげたい。
妹達が何人いようと、ボタン一つで量産できる存在だろうと、その死を悲しむ人間がいるのだということを。

目的の駅までは僅かに二駅。
電車はすぐにその駅へと到着した。
美琴は電車を降り、駅を出る。駅から目的地まではそう遠くない。
数分後、御坂美琴は一本の路地裏の前に立っていた。
あまりにも存在がおぼろげで、明日には消えていそうなほど存在感が希薄な道。
美琴はそんな路地裏に躊躇わず踏み込んだ。
その道に入った途端、空気が変わる。
つい先ほどまでいた世界とは確かに違った。

そこにはスキルアウトさえもいない。いるのは御坂美琴ただ一人。
どこでも目立つ常盤台の制服や手に持った花束、綺麗なシャンパンゴールドの髪はひたすらにこの異様な空気と調和せず、異物として存在している。


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