過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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300: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/05/22(水) 00:53:55.42 ID:NWEpM7fj0
「がはァ……!」

美琴の打撃が的確に麦野の右肩を捉えた。
骨は折れてはいない。とはいえ、走り抜ける激痛に麦野は動きを止める。
それは人間なら当然の反応だった。
誰だって頭を強く打てば咄嗟に手を頭にやるし、腕を怪我すれば手で腕を抑える。
ただ。学園都市第三位には、その隙が決定的だった。

麦野に打撃を食らわせた美琴は、その勢いを殺さず麦野の後ろまで回り込んだ。
そしてザザザ、と足で床をひっかいて運動エネルギーを消失させる。
それがゼロになった瞬間、つまり美琴の体が完全に止まったその瞬間、再度美琴の体が砲弾のように麦野へ向けて放たれた。
身体強化を受けた脚力だけではない。
自身の体と金属製の床を磁力で反発させ、その双方による後押しを受けて推進した美琴の掌底が、振り返った麦野の顎に容赦なく突き刺さる。

電撃は曲げられ、磁力は防がれるのなら偏光能力を組み合わせた打撃が一番有効だ。
砂鉄は使えず、代わりの溶断ブレードは致死率が高すぎる上、使いにくい。
他に取れる選択肢がないのならともかく、それがあるのなら溶断ブレードの使用は出来る限りさけたかった。

「ぅぐっ!!」

美琴はそこで止まらず、同様にその勢いのまま麦野を通り抜けた。
そしてやはり同様にズザァ、と足で床を擦ってすぐに再度麦野へと猛烈に突撃する。
その動きはプロレスにおけるロープ振りにも似ていた。
ロープにぶつかって大きく振られ、その跳ね返す力を利用して勢いよく突進する。
そして反対側のロープに突っ込み、振られ、その力で突撃してまた反対側のロープへと突っ込み、振られ……。
ひたすらにその単純作業の繰り返し。

とはいえそれ自体はただの突進であり、本来なら麦野には通用しない幼稚な戦術だろう。
だが今の美琴はそれに偏光能力を組み合わせている。
美琴を捕まえようとする麦野の動きは全て虚像を掻き、御坂美琴を捉えることは叶わない。
上下を除いたありとあらゆる方向から御坂美琴が襲い掛かり、少しずつ、確実にダメージを蓄積させていく。


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