過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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31: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/02(火) 23:19:20.84 ID:Y3hy9anU0
菊を気に入ってくれるかどうかも不明だ。
美琴には菊が二人の好みに合うことを願うしかなかった。

少しでも気を抜けばまたも流れてしまいそうになる涙を堪え、美琴は俯いた。
一方通行と再会してからというもの、こっち泣いてばかりだ。
何度目か分からない感情が、言葉が、沸々と心の底から沸いてくる。
湧き水のようにとめどなく溢れてくる。
たとえ自己満足であっても、どうしても言わずにはいられなかった。

「ごめんね、九九八二号。守ってあげられなくて。
気付いてあげられなくて。私が一番アンタの近くにいたのに。
アンタを救えるところに一番近かったのが私なのに……っ!!」

―――覆水盆に帰らず。
どれほど悔やみ嘆いたところで時計の針は戻らない。
一方通行が九九八二号を殺したことも、九九八二号が死んでしまったことも、美琴が九九八二号を救えなかったことも。
何一つとして、覆りはしない。既に確定されてしまった過去は変えられない。
時間というのは残酷だ。あるいはそれは悲しみを癒してくれる薬とも言えるのかもしれない。
だが少なくとも美琴にはその薬は効きそうになかった。


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