過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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394: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 00:50:16.80 ID:D30LGKJg0
「戯れるな」

だが垣根はそんな美琴の言葉を一蹴した。
美琴の希望を一つ一つ砕いていくように、言った。

「言ったはずだ。俺がテメェに近づいたのは仕事だからだ。
テメェと『友達ごっこ』をしたのもその方がやりやすくなると踏んだからだ。
俺は悪意と欺瞞に満ちている。テメェの言う時間も、笑顔も、全て虚構だ」

その瞬間、美琴の体からふっと力が抜けた。
一瞬で涙を浮かべそうになるほどに、垣根の言葉は御坂美琴の心を激しく抉り取った。

『友達ごっこ』。

その言葉は美琴を絶望させるには十分すぎた。
セブンスミストで買い物をしたのも。ボーリングに行ったのも。
ゲームセンターで遊んだのも。カラオケに行ったのも。喫茶店でくつろいだのも。
スキルアウトの集団と戦ったのも。一緒に一日風紀委員をしたのも。

全てが虚構。簡単に砕けて散る幻想。
所詮は子供がするような、ただのごっこ遊び。
目覚めれば消える儚い夢。

それを強く感じさせられた。
美琴の日々は鮮やかに輝いていた。垣根と知り合ってからの一ヶ月。
毎日のように遊んで、馬鹿をやって盛り上がった。
超能力者ということで何もしなくても周囲から距離を取られてしまう美琴には、初めての体験だった。

白井や佐天、初春らと遊ぶ時とはまた違った経験。
普通の学生がするような、けれど美琴にとっては得難い貴重な時間。
本当に、楽しかった。心の底からそう思っていた。

ところがどうだ。垣根はただの仕事でやっていたごっこ遊びだと言うではないか。
ただ一人舞い上がって笑っていたのは自分だけ。滑稽なピエロだったというわけだ。
楽しんでくれていると思っていた垣根は、ただ事務的に仕事をこなしていただけだった。
本当はやりたくもないのに、仕事だからと嫌々付き合っていただけ。

きっと美琴と離れているプライベートな時間には、他の仕事もこなしていたのだろう。
おそらく人殺しなんて日常茶飯事。
美琴といる時は欺瞞の仮面を被り、それをとった時が垣根の本当の姿。
美琴の知らない裏では薄汚い汚れ仕事をやっていた。それが垣根帝督だ。


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