過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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401: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 01:07:05.13 ID:D30LGKJg0
超能力者という称号と引き換えに得てしまった孤独が、今の美琴の性格を形作ったのかもしれない。
誰かを助けることで、誰かを守ることで、誰かに必要とされていたい。
そんなある種病的なまでの願望。

もしも白井が、佐天が、初春が、そして上条が、垣根が自分から離れてしまったら。
美琴は再び孤独になってしまう。そんなのはもう嫌だ。そんなことには耐えられない。
だから絶対に失わないように、絶対に失望されないように、美琴は彼らを守る、のかもしれない。

だとしたらだ。だとしたら、御坂美琴が優しい少女であることに変わりはないが―――それはどこまでも悲惨で痛々しい優しさだ。
超能力者になったばかりに美琴がこうなってしまったのなら、『実験』含めやはり美琴も学園都市に狂わされた人間なのかもしれない。
勿論これらは推測でしかなく、実際のところどうなのかは分からない。
それはもはや美琴本人にすら分からないだろう。ただ確実なのは、美琴が垣根をここまで大切にする理由はそれだけではないということ。
そう、他にも理由がある。

(……超能力者って、本当に何なんだろうね)

一方通行も、美琴も、麦野も、食蜂も、削板も、そして垣根も。
超能力者になって、何かプラスがあっただろうか。
人格が曲がったり、大事なものを壊したり、壊されたり。
垣根にも何かがあったのだろう。一方通行や美琴が『実験』で壊れたように。
美琴も垣根と同じ超能力者だからこそ分かる。

そしてその垣根の『闇』は、意外にも本人の口から語られることとなる。
美琴の言葉を聞いた垣根は驚くほどの無表情へと一変した。
先ほどまでのような激しさは嘘のように消えてしまっている。

「……『闇』に沈みきる前、俺にはいわゆる恋人がいた」

静かな声だった。逆にそれが異様さを搔き立てる。
美琴は突然の垣根の変化と、唐突な話に戸惑いの色を浮かべたが何も口を挟まず無言で先を促した。

「その時はまだお互いガキだったから、付き合ってるといってもそんなしっかりしたもんじゃねえ。
それでも、俺たちはガキなりに本気で好き合ってた」

そこで垣根は一旦言葉を切り、自嘲するような笑みを口元に浮かべた。

「俺が殺した」

「っ!?」

その言葉に、思わず美琴は息を呑む。
心音が一際大きくなった気がした。
両手をギュッ、と固く握り締めて美琴は俯いた。



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