過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/06/14(金) 01:08:55.69 ID:D30LGKJg0
「多重能力者(デュアルスキル)って言葉ぐれえ知ってんだろ。
今でこそ能力者には一人一つしか能力は宿らねえってのが常識だ。そんなことは馬鹿でも知ってる。
……じゃあ聞くが、何故そんな法則が存在すると分かった?」
それが意味するところは明らかだった。
普通ならそんなことはやらない。まともな感情と倫理観を持ち合わせていればそんなことは出来ない。
だが残念なことに、学園都市に巣くうイカれたマッドサイエンティスト共はそんな上等なものは持っていない。
美琴はカラカラに乾いた口を開き、掠れた声を絞り出した。
「人体、実験……」
単純なことだ。何でそんなことが分かるのかと言えば、試したからだ。
本当に能力者には一つの能力しか宿らないのか、複数の能力を植えつける方法はないのか。
それは何人もの人間を犠牲にして得た法則なのだ。
「そうだ。そして多重能力者に限らずこうした実験ってのは置き去り(チャイルドエラー)が使われることが多い。
学園都市のお荷物が科学の発展に貢献出来るなんて名誉なことだ、っていう愉快な考えでな。
俺も、恋人も、置き去りだった。そして恋人は多重能力者の被験者となることが決まった」
大体話が読めた。読めてしまった。
あまりにも残酷だ。何故そこで垣根の恋人が選ばれてしまったのか。
こう言っては問題だが、別に他の置き去りでも良かったはずなのに。
「偶然じゃない」
垣根はそんな美琴の考えを読み取ったかのように言った。
「超能力者の俺を『闇』に引き摺り込むためだ。
俺の精神を折って利用するためだ。そのための手段として、俺の弱点として、俺の恋人は狙われた。
……今思い出しても吐き気がする。死んだ方がマシ、っていうのはああいうのを指すんだろうよ」
美琴はもはや何も言葉を搾り出せない。
ただ震える体を押さえつけて、話を聞くことしか出来なかった。
「特例能力者多重調整技術研究所。通称特力研で俺は“それ”を見た。
手が何本あるか分からねえ。そもそも手なのかどうかも分からねえ。
首元にはもう一つ頭でも生えてんのか、ってくらいの塊があった。
顔のパーツも目、鼻、口なんてろくに判別できるはずもねえ」
それはその言葉だけで吐いてしまいそうなほどの地獄だった。
想像するだにおぞましい。出来の悪いスクラップ映画すら上回るような現実。
何をどうしたらそんなものが生み出されるのか分からないような光景。
白衣の悪魔たちはそんな地獄を淡々と作り上げていった。
「俺は研究者共に促され、化け物に成り果てた恋人をこの手で殺してやった。
説明は省くが色々あってな。断ることは絶対に出来なかった。
だが何だかんだでいざやってみりゃ少し楽しかったぜ? 腕はたくさんあるからもいだり切断したり手段を考える楽しみがあったしな。
しかもやたらしぶといからちょっと乱暴に扱っても壊れねえんだ。よく出来た玩具だと思ったもんだ」
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