過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/06/14(金) 01:34:31.37 ID:D30LGKJg0
「黙れ黙れ黙れ!! 黙れええええええええ!!!!」
垣根は右手を大きく振るう。
何かが美琴の頬のすぐ横を途轍もない速度で掠めていった。
垣根が、何かを撃った。そんな程度のことしか分からなかった。
垣根は美琴をジッと刺すように睨み付けて言った。
「……次は当てるぜ」
それは、垣根帝督からの最終通告だった。
「逃げるか、戦うか。それとも第三の選択肢か。何でも好きなのを選びな」
それを聞いた美琴は再び両腕を大きく開いた。
そしてその拳は、握り締めない。
かつてこの場所で、上条当麻が自分を救ってくれた時のように。
(全く、アイツに馬鹿馬鹿言ってたけど。
こりゃ私も人のこと言えないわね。私もたいした大馬鹿野郎だわ)
それでも、戦いたくなかった。逃げるなんてもっと無理だった。
あの時上条が為したように、非暴力で垣根を救ってみせる。
美琴のそれを見て垣根は小さく呟いた。
「……この馬っ鹿野郎が」
その本当に僅かな呟きを敏感に聞き取った美琴は柔らかく笑った。
「心配しないで。自覚はあるわ」
本当に、明るく。太陽のような笑みを。
それを見た垣根は―――。
「あああああああああああ!!!!!!」
垣根帝督は何かを振り払うように絶叫し、その場から飛び跳ねる。
背中の翼を美琴へ向けて撲殺用の鈍器として構え、目にもとまらぬ速さで叩きつける。
瞬きほどの一瞬の出来事。だがこの時、美琴にもとれる行動はあった。磁力を使った緊急回避でかわすことも出来た。
防御してダメージを軽減することも出来た。だが美琴はそれらの行動を一切とることはない。
ただ六枚の翼を携え襲い来る垣根を見ても両腕を大きく広げ、無防備に体を晒したままどこまでも柔らかく暖かい笑みを絶やさなかった。
御坂美琴の体にメリッ、という嫌な音と共に垣根の白翼がめり込む。
再度猛烈な勢いで横薙ぎに吹き飛ばされた美琴は一際大きい、鉄橋の支柱の一本に鈍い音をたてて猛スピードでぶつかり動きをとめた。
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