過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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490: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/24(月) 00:41:12.24 ID:Q/pVMErx0
栗色の髪をした少女の顔が、脳内に浮かんでくる。
本気で言っているのかと、凛とした瞳で少女が問いかけてくる。
だが垣根はそれを無理やりに振り払う。
自分はもう、止まれない。

(七人しかいない超能力者。最強の力を持っていながら誰一人救えず、何も守れない。
―――……どうして、ここまで酷い怪物になっちまったんだろうな)

それは誰かに伝えるようなものではなく、自問だった。
そんな垣根の言葉を聞いていた一方通行は、まるでゴミを見るかのような目で垣根を見ていた。
一方通行からすれば垣根帝督は無様で仕方がなかった。
結局のところ、垣根は先ほど一方通行が言ったように自分の弱さを美琴に押し付けているだけなのだ。
それを散々苦しみながら乗り越え、ようやく今の世界を掴んだ一方通行からすればあまりにも救えない。

「……ふざけンじゃねェぞゴミクズが。
別にオマエが廃人になろォとどォなろォと興味はねェよ。
だがな、イカれンなら一人でやれや。オマエのそれにオリジナルを巻き込ンだ時点で底は知れている」

一方通行は銃口を垣根へ向け直す。
垣根は間違っても命乞いなどはしない。
散々人を殺してきた垣根は、そんなチンピラにすら劣るような悪がすることはしない。

そして何より、この戦いは勝ったのは一方通行で、負けたのが垣根帝督。
だから敗者たる垣根が殺されるのは当然のこと。
一方通行は、垣根もそう考えていると思っていた。

一方通行が今の生活を得るまでには色々なことがあった。
垣根と全く同じことで苦しんだこともあった。
垣根がそこで折れたのならそれは構わない。ただ垣根一人のそれに美琴を巻き込んだというその一点のみが一方通行には許せなかった。
だが、それは一方通行にもあり得た可能性でもある。

第一位と第二位。学園都市の頂点に君臨する二人は、やはり似たもの同士なのだ。
一方通行が折れていれば、今の垣根と同じようになっていたかもしれない。
一方通行のバッドエンドを体現したのが垣根帝督とも言える。
逆に障害を乗り越え一緒にいたい人間と過ごせている一方通行は、垣根帝督にとってのハッピーエンドかもしれない。

しかし、一方通行はそんなことなど考えない。
事実として一方通行は乗り越え、そして垣根は折れた。それどころか、彼は御坂美琴を巻き込んで破滅させてしまった。
だからこそ、学園都市最強は垣根帝督を見下げ果てる。

一方通行はたとえ場違いであっても打ち止めという自身の希望を如何なる時、場合であっても守り抜き。
垣根帝督は御坂美琴という自身の光を自らが耐えられなかったが故に刈り取った。


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