過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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591: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/30(日) 00:26:59.11 ID:2Kc1FUrz0
「チッ……命拾いしたなクソモヤシ」

「はァ? 何愉快な勘違いしちゃってンですかァ? 命拾いしたのはオマエの方だクソメルヘン」

勘違いだった。
一度収めかけたはずの矛を何故か再度取り出した二人に、美琴の堪忍袋の緒が切れる。

「いい加減にしろっつってんでしょうがァァああああ!!」

美琴の叫びが車内に響き渡る。
一方通行と垣根は両者共にチッ、と盛大な舌打ちをして互いを睨みつけるも、これ以上の舌戦が繰り広げられることはなかった。
何だかんだで二人とも美琴には負い目がある。
美琴がここからいなくなれば数分後には血を血で洗う凄絶な戦いが勃発しているに違いない。

「……で? 第三次製造計画ってのは何なわけ?」

美琴が話を元に戻す。
自身の傷の手当てをしていた一方通行が顔をあげた。
一方通行も垣根と比べたら少し軽いものの、それでも放置してはおけない傷を負っていた。
その手を一旦止めて、今までひた隠しにしてきた第三次製造計画について話し始めた。

「第三次製造計画ってのは、能力者量産計画の後釜だ。
つまり、―――端的に言えば妹達がまた作られるってことだ」

その言葉に、美琴は思わず息を飲んだ。

「お前のDNAマップからクローンを生み出し、超能力者を人工的に生み出そうとしたのが能力者量産計画。
一度中止されたそれを再度稼動させ、更なる量産を行ったのが絶対能力者進化計画。
そして大方今度動いているのがそれらに次ぐ三度目の計画―――第三次製造計画ってことだろうよ。
とは言っても、詳しいことは何も分からねえがな」

垣根のその言葉を最後に、車内に静寂が訪れる。
誰もが口を噤み、不気味なまでの静けさが場を支配した。
ただ車のエンジン音と、外から聞こえてくる騒音だけが場違いになっていた。


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