過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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662: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/07/04(木) 23:58:03.14 ID:g7lwC82X0
「たしかに君は強いけど、同じ人間であることには変わりない。
だったら、僕にも手の打ちようはあるんだよ」

T:MQ(タイプ・モスキート)。
中には身体の制御を奪うナノデバイスが内臓されている。
このナノデバイスをT:MQを使って打ち込む。
それしか馬場にこの場を切り抜ける方法はなかった。
言葉で垣根の注意を引きつけて、その隙に。

そしてT:MQが垣根のすぐ近くまで接近し、あと少しというところでそれは起きた。
ゴァ!! という音。
巻き起こる熱風。吹き乱れる爆風。
原因不明の小規模の爆発が、垣根を中心として突如起こった。

その爆風を受けた馬場は吹き飛ばされ、壁に強かに叩きつけられる。
頭部からは血が流れていて、ドロリと垂れた血がその顔を赤く染めていた。
それでも馬場が生きているのは、垣根が殺さないように加減を加えたからだ。

この爆発を起こした張本人はゆっくりと、余裕のある足取りで馬場に近づいてくる。
それは死へのカウントダウン。馬場には死神の足音にしか見えなかった。
垣根が一歩歩みを進める度に馬場芳郎の寿命は削られていく。
それは第二位という名の圧倒的脅威だった。

「言っただろうが。『未元物質』の散布されたこの場所はもう俺のフィールドだ。
そんな小細工は効かねえよ。残念だったな、当てが外れて」

にこりと、垣根は微笑んだ。
そこに怒りはなく、憎悪はなく、殺意もない。
まるで親しい友人に話しかけるような笑み。
だがそれこそが、その異物感が馬場芳郎の全身を圧倒的恐怖で刺し殺す。

「ひっ、ひゃああぁああぁああああ!!」

腰が抜けて立ち上がれないのだろう、馬場は座り込んだまま後ずさるようにして垣根から離れる。
しかしすぐに壁にぶつかり、それ以上動けなくなってしまった。
後ろには壁。前には垣根。どうしようもない絶望的な状況。
そもそもの話、垣根から逃げ切れるはずがないのだ。
馬場の顔は分かりやすい恐怖で塗りつぶされていた。



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