過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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721: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/07/07(日) 22:46:01.45 ID:tI6cvgON0




第五章 科学という闇の底で Break_Your_Despair.






一方通行と垣根帝督が潮岸のドームを出ると、そこでは御坂美琴が二人を待っていた。
擦り傷や切り傷などがあちこちに見られ、制服も汚れてはいるもののきちんと二本の足で立てている。
分かってはいたことだが、やはり勝ったのは美琴のようだ。
だが何かイライラしているようで、両腕を組んだまま足の裏で地面を落ち着き無くトントントン、と叩いている。

「……あ、アンタたち無事だったのね。どうだった?」

「お前もな。……第三次製造計画の黒幕なら聞き出したぜ」

「……『木原』だ」

汚いものを吐き出すように一方通行が言うと、美琴は目を細めた。
『木原』。その名前を聞いて、三人の超能力者の顔色は良くない。
一方通行はその名前に、顔面に刺青を入れている男を連想した。
垣根帝督はその名前に、車椅子に乗っている女を連想した。
御坂美琴はその名前に、リクルートスーツのようなものを着ている女やある老人を連想した。

ただ三人に共通しているのは、その名前に良い思い出など全く無いということ。
そして全員が全員、人としての根本的なところから壊れている破綻者だということ。

それから三人の口数は少なかった。
それぞれに思うところがあるのか、言葉少なに下部組織のトラックを再度呼び寄せ、それに乗車する。
トラックの荷台に座りこんだところで、美琴が沈黙を破った。

「……ねぇ、垣根」

「何だよ?」

「……ううん。いや、何でもないわ」

美琴はそう言って、落ち着きなく腕を組んだまま左手の人差し指で右腕をトントンと叩き始めた。
垣根もこれと言った反応は返さず、そのまま黙ってしまった。
一方通行も同様で、トラックの中は重い沈黙に包まれていた。
黙っている垣根を美琴は目を細めてジッと見つめている。
三人の超能力者を乗せて、トラックは学園都市を走る。


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