過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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723: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/07/07(日) 23:00:49.88 ID:tI6cvgON0
だから一日で治療しろ、と言っているのだ。
勿論たったの一日では如何な冥土帰しといえど、完治させることなど不可能。
精々が一時しのぎの手当て程度だろう。
だがそれでも構わない。もともと一方通行も垣根も、全快するまで待とうなどとは考えていない。
ほんの少しでも万全に近い状態で。考えているのはそれだけだった。

そして美琴は冥土帰しのもとを訪れていた。
冥土帰しの自室にいるのは二人だけ。
落ち着きなく書類などが散らかったデスクの上に置かれた、ノートパソコンの排気ファンの音がやけにうるさく聞こえる。
意外と散らかっているのは、おそらくゆっくり整理している暇がないせいだろう。
冥土帰しは屈指の医者だ。神の手を持つ、と言っても何ら大袈裟ではないとさえ思う。
それだけに多忙な日々を送っているのだろう。

「脳の機能を破壊された一方通行を治療してみせたのは、先生らしいですね」

どこまでも静かな室内で、美琴が呟いた。
冥土帰しは美琴から『その名前』が出たことに驚きはしなかった。
そもそも美琴がこの病院に来た時に、一方通行も一緒にいたからだ。

「……ああ。いかにも僕だ。妹達のミサカネットを借りてね。
おかげで彼の言語能力や計算能力を取り戻すことが出来た。感謝しているよ」

冥土帰しは当然『表』の人間ではあるが、その実相当に暗部も知っている。
この街の最深部に座す、アレイスター=クロウリーとも関わりを持っているほどだ。
一方通行の抱える事情も知っているし、『絶対能力者進化計画』の存在も勿論知っている。
そして、御坂美琴と一方通行が相容れるはずもないということも。

「君は、僕を恨んでいるかい?」

冥土帰しが訊ねた。

「一方通行の命を救った僕を。君の妹さんたちの仇を助けた僕を」

冥土帰しの問いに対し、美琴の解答は迅速だった。


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