過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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725: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/07/07(日) 23:14:52.03 ID:tI6cvgON0
「……分かっちゃうんですね」

「僕を誰だと思っている?」

「医者、でしょう?」

「自分で言うのも何だが最高の、ね。
僕は世界で一番医学の発展した学園都市で、更に一番だという自信がある。
だから患者のことなら何でも分かる。当然君のことも、ね?」

フッ、と美琴は何かを諦めたような笑みを浮かべた。

「……ええ。そうですね、納得出来ません。
だって、おかしいじゃないですか。私の一万人の妹は、殺されたんですよ。
痛かったでしょう。苦しかったでしょう。怖かったでしょう。
それでもあの子たちは助けを求めることもできず、治療もしてもらえなかった。
なのに、散々妹達を殺したアイツだけは世界最高の名医に治療されて、助かった。
あの子たちはそんな施しなんてしてもらえなかったのに。理不尽じゃないですか」

美琴は淡々と、本心を吐き出す。
だが以前のように感情が昂ぶって怒鳴り散らすようなことはなかった。

「あの子たちに殺されなきゃいけない理由なんてなかった。
なのに何で一方通行だけは助かって、あの子たちは死んじゃったんでしょう。
何でアイツだけが先生と会えたんでしょう。あの子たちだって、先生と会えていればきっと―――」

冥土帰しなら一〇〇三一号も、そして九九八二号も助けられただろうに。
何の悪戯か、助かったのは一方通行の方だった。
最高の医師の施しを、妹達は受けられなかった。
助かるための冥土帰しというチケットを、一〇〇三一人もいた妹達の内たったの一人すら掴み取ることができなかった。
今学園都市にいる妹達は冥土帰しによる調整を受けているが、死んでしまった妹達にはそれすらない。


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