過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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871: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/07/15(月) 00:47:48.96 ID:Ey27nqdF0
『木原』一族の中でも木原円周は頭の出来で言えばかなり上位に位置づけられる。
たとえ教科書がなくとも。懇切丁寧に解説してくれる教師がいなくとも。
円周は世界を構成する要素から科学を抽出し、常に学習していた。

宙を漂う埃。プラスチック製のコップの質感。
明かりによる光の反射具合。滴り落ちる水の一滴。そういった要素が、徹底的に円周に叡智を授けていた。

本当の意味で『木原』から学習を奪うなら。
それは世界を残さず破壊する以外に方法などなかった。

そうやって木原円周は一人科学と遊んでいた。
善も悪も、そのボーダーラインも知らないという最悪かつ純粋な形で。

木原円周に悪意など存在しない。
彼女は何よりも純粋で、無垢で、無邪気で、ただ無限に得るインスピレーションをひけらかしたいという顔で。
自分を拘束していた鎖を溶解させ、自由を得た。
とはいえ円周はその鎖を邪魔に思っていたわけではない。それも所詮は科学を与えてくれる玩具の一つでしかなかった。

そして円周は科学で自分を閉じ込めていた人間を殺した。
憎かったわけではない。身の回りに玩具は溢れていたから、憎む理由など何もない。
ただ。自分の『科学』を、『叡智』を、『インスピレーション』を披露しただけ。
別に悪いとも思ってはいなかった。だって木原円周には善も悪も存在しないのだから。

だからこそ、木原円周は『細菌の壁』を撒くことに躊躇いはない。
その結果どんな災害が起きようとも、その重大さを円周は正しく認識できない。
だから円周は何の迷いもなく、何の悪意もなく、当然のように『細菌の壁』のパッケージを開けようとする。


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