過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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◆nPOJIMlY7U
[saga]
2013/07/15(月) 01:00:23.54 ID:Ey27nqdF0
「『未元物質』を、混ぜ込んで……!?」
垣根は大きく頷いた。
どこか芝居がかった動作で、大袈裟に両腕を広げる。
「テメェらのその能力、オイルを集めることは出来ても一方通行みてえに不純物のより分けは出来ねえんだな。
もうテメェらの武器だったオイルはオイルじゃなくなっちまったぜ。どうするよ?」
垣根が『未元物質』をオイルに混ぜたことで、オイルの制御権は奪われてしまった。
この世に存在しない物質である未元物質にはこの世の法則には従わない。
そしてこの世に存在しない物質と相互干渉した物質も、またこの世のものではない法則に従って動き出す。
それこそが垣根帝督の『未元物質』だ。
垣根は今回その『未元物質』をオイルに混入させた。
それによりオイルは『未元物質』の影響を受けて変質し、この世のものならざるものとなった。
相園美央らの能力『油性兵装』はオイルを操る能力であって、当然オイルではないものは支配できない。
ならばこそ、オイルではない何かになったものに対して能力が働かないのは当然だ。
つまり五人は能力が使えなくなったのではなく。
能力が働きかける対象が完全に変質してしまっていたのだ。
たとえば窒素がなくなれば絹旗最愛の『窒素装甲』が意味を成さないように。
これが超能力者。これが第二位。これが垣根帝督。これが『未元物質』。
学園都市二三〇万の頂点に立つ天才。その中の更に頂点に在る決して超えられぬ双璧。
他の能力者の追随を一切許さず、ただ鮮烈に君臨する絶対的な二枚の片翼。
「く、ふふふふ……」
「とうとう完全にイカれちまったか?」
能力を完全に封じられた絶望的な状況で、尚笑みを浮かべた子雛に垣根は怪訝そうに眉を顰めた。
気付けば子雛だけでなく、相園も友莉も細魚も真紀も、皆笑っていた。
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