519: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:26:55.34 ID:7T0TV7XF0
火憐が加害者で、僕が被害者。
いつの間にか、僕は忍野と火憐との間に壁を作る様に立っていて、火憐の表情は分からない。
けど、いつも元気なあいつがひと言も喋らないのが、逆に気持ち悪かった。
520: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:27:26.54 ID:7T0TV7XF0
忍野「忘物草。 特性は呪い。 今、中学生の間で噂されているみたいだね」
忍野「もっとも、大分曲解されて伝わっているみたいだけど。 その辺は、妹ちゃんの方が詳しいんじゃないかな?」
忍野が火憐に向けて、そう言った。
521: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:28:08.14 ID:7T0TV7XF0
火憐は僕の背中に、そう声を掛ける。
僕は後ろを振り返り、こう答えた。
暦「いいぜ、引き受けてやるよ」
522: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:28:39.44 ID:7T0TV7XF0
以下、回想。
ある日、火憐の蜂の話と、月火の不如帰の話が終わってすぐの事だったらしい。
とは言っても、月火の話は火憐にしていないので、火憐は「ダンプカーが家に突っ込んだ後」と言っていた。
523: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:29:43.03 ID:7T0TV7XF0
例えて言うならば、ある桜の木の下で告白すれば、その恋は実るだとか、その程度の話。
噂話。
しかし、それは繋げてしまった。
524: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:30:13.24 ID:7T0TV7XF0
が、火憐の予想は外れた。
それは本当に、ただの噂話でしか無く、貝木が広めた『おまじない』は絡んでいなかったのだ。
その結果に満足した火憐は、一人帰路に就いたと言う。
525: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:30:40.23 ID:7T0TV7XF0
火憐は呆気に取られたと言う。
目の前に、アスファルトの地面から咲き誇った一輪の花に。
次に頭に浮かんだのは、昼間の噂話だった。
526: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:31:08.86 ID:7T0TV7XF0
回想終わり。
暦「って事は、その火憐ちゃんの願いが、今回の怪異を起こしたって事か?」
火憐が、皆の記憶が無くなる様にと、願った?
527: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:31:39.08 ID:7T0TV7XF0
暦「……でも、それならどうして。 火憐ちゃんは、何を願ったんだ?」
火憐「それは……」
言い辛そうに、火憐が口を閉ざす。
528: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/18(木) 14:32:09.35 ID:7T0TV7XF0
忍野「阿良々木くん。 あんま責めたら可哀想じゃないか。 その辺りは僕が補足するからさ」
上辺だけの言葉だな。 とは思う。 他の誰でもない、忍野自身が語らせたのだから。
けれど、忍野を責めるのもまた、筋違いだろう。
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