過去ログ - フィアンマ「病室を、間違えていないか」ヴェント「ッ、」
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32: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/04/06(土) 22:09:06.60 ID:01/4WOYt0

「食事、ありがとう」

礼を言って、駅へ。
電車に乗るのは嫌だが、我慢するしかない。
目を閉じてあの子の事を考えていればすぐに終わる。
彼は私が改札口へ行ったのを見届け、踵を返す。
その背中が孤独なものに見えて、思わず呼び止めそうになった。

「……また、会えれば良いが」

そんなことをぼやいて、彼は姿を消してしまう。
幻想のような人。
思いながらフードを整え直し、教会へ急ぐ。



幸運にも、教会へ戻るまでに少し濡れただけで済んだ。
少し肌寒い。上着を着た方が良いだろうか。

「戻りました」
「お帰りなさい」

のんびりと、年輩シスターが彼女を出迎える。
勧められるまま椅子に腰掛け、差し出されたココアを啜る。
甘い味とカカオの柔らかな匂いが、冷えた身体を温めた。

「そうそう、近々、あなたは教会を移るかもしれないわ」
「え?」

思わずきょとんとする私に、シスターはほんわかといつもの優しい笑みと共に言う。

「ここより大きい場所だから、もしかすると男性が居るかもしれないけれどね」

それも、きっと良い経験になるから。
そうですか、と返事をしておく。



教会を移るだなんて、本当に久しぶりだ。


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