8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/07(日) 23:12:33.20 ID:gVb9Xpc80
■ ■ ■ ■
大股で三歩の距離を空け、プロデューサーと向かい合う。
頑張れば、このくらいまでは近づくことができる。
お茶はまだ、小鳥さんに渡してもらっているけれど。
「じゃあ、今日のスケジュールの確認をするね」
「は、はい」
手帳を開く彼をならって私も自分の手帳を取り出す。
そういえば今日はCM撮影の打ち合わせがあるはずだった。
ちょっと前の私なら、CM撮影なんて雲の上のまた上のように感じていたけれど、まさか手が届くなんて。
実感が湧かないが、これも私なんかを導いてくれる彼のおかげだ。
「うん、そうだね。地方のペットショップのCMだ」
なるほど、ペットショップのですか。
…………ペット……ショップ……!?
あ、あのあの、それってひょっとして――
「うん、動物と触れ合っているところの撮影だね」
パサリ、と乾いた音がした。
私の掌から手帳が滑り落ちる音だ。
精一杯頑張って、男の人には大股で三歩の距離まで近づける私だけれど……。
「い、犬だけは無理なんですぅ!」
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